「11」と「12」が語る人類の歴史

2024年 07月 25日

Cassie Freeman, Ph.D.

Duoling⁠oへ⁠⁠の⁠⁠質⁠⁠問⁠:1⁠⁠1⁠⁠と⁠⁠1⁠⁠2⁠⁠だ⁠⁠け呼⁠⁠び⁠⁠方⁠⁠が違⁠⁠う⁠⁠の⁠な⁠⁠ぜ⁠⁠?⁠

多くの言語で数字の11と12だけ名称が不規則!その理由は、人類の脳の進化に関係がある。

2024年 07月 25日

Cassie Freeman, Ph.D. Alison Falco

「Duolingoへの質問」へようこそ。このコラムでは言語学習者へのアドバイスをご紹介します。過去の記事は こちら をご覧ください。

学習者の皆さん、こんにちは!今週はちょっと趣向を変え、 Duolingo数学チーム のエキスパート、キャシー・フリーマンとアリソン・ファルコから、Duolingoへの質問にご回答します!今回の質問は、数学と言語の交差点についてです。また、Duolingoは12周年を迎えました!これとも関係のあるトピックです。では、今週の質問を見てみましょう。

今週の質問

素晴らしい洞察ですね!おっしゃる通り、その理由の一部は 言語の系統 に関係しています。ただし理由はもう1つあり、人類の脳とその歴史にも深く関係しているんです!

「数の数え方」の歴史

数え方についてまず知っておくべきことは、私たちが「数える」という行為を始めたきっかけです。そもそも数千年前は、それほど多くの数を数える必要はありませんでした。集落の人数、群れの中にいる動物の数、または日数など、比較的小さな数を把握する必要があったに過ぎません。

その結果、小さな数、特に指(と足の指)で数えられる数は、より大きな数とは違った扱いを受けるようになりました。実際に、5つの単位で数える画線法は、約3万年前までさかのぼることができます!より大きな数はずっと後になってから使われるようになり、その命名法も、後から考えられたものです。

そのため多くの言語では、10までの数字(1、2、3など)には1つ1つ違った呼び方がありますが、10より後の数字には、その名称に何らかのパターンがみられます。

10の何が特別なの?

それは、人類がかつて、指を使って数を数えていたからです!そのため多くの文化で、「10」という数字は特別な地位を占めるようになりました。

このような文化圏では、10が日常生活で 数を数えるための基準として定着し、言語にもそれが反映されています!10を基準に数える文化では、小数は10で割った数として表され(例えば「4.3」は、4と10分の3にあたります)、一方、より大きな数は、10のグループとして表現されます(「20」は、 古英語 では文字通り「10が2つ」という呼び方をされていました)。

時が経ち、10と100(10の二乗)のような10の累乗は、長さ・温度・お金・時間など、社会を動かすシステムの基礎となりました。例えば、

しかし、現在使われている数え方は、10だけではありません!12進数(1日は24時間、1年は12ヶ月、1フィートは12インチ...そしてドーナツを数える単位は1ダース🍩)、20進数、そして 27進数 というものも存在します。

「11」と「12」が変なのは「10」のせい

「11」と「12」を表す単語が「13」から「19」までと異なることが多いのも、「10」があまりに重要だからです。特に英語の場合「eleven(11)」と「twelve(12)」は、言葉そのものがちょっとした計算を表しています!

実は、これらの語源は引き算なんです。「eleven」は、 古英語の「enleofan(1つ残った)」 に由来しており、これは10を数えた後に1が残ることを意味しています。同様に「twelve(12)」も、10を数えた後に2が残るという意味です。

左は数える前の12個のブロック。右側は12個のうち10個を数え終わり、2個が余った状態となっている。

英語とドイツ語では、12を超えると語尾に「-teen」(ten、つまり10を意味します)が付くパターンとなります。しかし他の言語の中には、これが16から始まるような、さらに「奇妙な」ものもあります。

一方で日本語、北京語、韓国語はすべて、11から19までが「ten-one(10と1)」、「ten-two(10と2)」、そして 「ten-nine(10と9)」のように、パターンに例外がありません。このように数字の命名法が規則的だと、 幼児が数の数え方を覚えるのが少し早くなる傾向がある そうです!

英語 ドイツ語 スペイン語 フランス語 日本語
10 ten zehn diez dix 十
( juu)
11 eleven elf once onze 十一
( juu ichi)
12 twelve zwölf doce douze 十二
(juu ni)
13 thirteen dreizehn trece treize 十三
(juu san)
14 fourteen vierzehn catorce quatorze 十四
(juu shi、またはjuu yon)
15 fifteen fünfzehn quince quinze 十五
(juu go)
16 sixteen sechzehn dieciséis seize 十六
(juu roku)
17 seventeen siebzehn diecisiete dix-sept 十七
(juu shichiまたはjuu nana)

数学と言語は深くつながっています!

数学と言語のつながりは歴史の長きにわたるもので、決してDuolingoの発明ではないことがお分かりいただけたでしょうか?でも、Duolingoの12周年記念に、数の名称の不思議(「12」はなぜ「two-teen」でも「tenty-two」でもなく「twelve」なのか)について調べたり考えたりしてみてください。きっと語学も数学ももっと好きになりますよ🤓

言語や学習に関するご質問は、 dearduolingo@duolingo.com までメールでお問い合わせください。